日本は成人式の連休でお休みモード。の中、熊本大学大学院にて集中講義をさせていただきました。対象は交渉紛争解決・組織経営専門コースの大学院生さんたちでみなさん社会人大学院生です。そして5〜6年ほど前だったでしょうか、私が博士論文の指導&副査をして同分野で博士号を取得したもと・学生さんも飛び入り参加してくれたのです。教室に表れた彼女を見た私の第一声は「あれえ、卒業したんじゃなかったっけ?」でした(笑)。副査として最終口頭試問にも審査官として出ていたというのに、まったくまぬけですが、それくらい予想外でびっくりしたということです^^;; 連休にも関わらず朝早くから熱心にまじめにそして素直に学ぼうとする、彼らの姿勢と姿は「美しかった」です。本当に。
授業の内容は、主に2部構成としました。前半はコーチグについての基礎的な考え方やスキルについての理論と実践的練習。たかだか数時間でそして、コーチングが分かるわけでもできるわけでもないということは、もちろん、私も学生さんたちも承知の上ですが、交渉紛争解決という分野において「コーチング」をひとつのそして有効なリソース&ツールとして、生かすことができるはず!ということを実感してもらうためには、まずは、よちよち歩きでも、どんなものか自分自身でやってみる・・・ことがやっぱり重要だろうと思ってのチャレンジ。
後半はコーチングという現象やコーチ-クライアントの関係について、アカデミックな視点からアプローチするとどんなことが言えるだろう・・・ということについて私が普段(特に最近)考えていた自説について、講義しました(てか、講釈たれちゃったとでも言うか。笑)。
私がコーチングについて、アカデミックに理論化しよう試みた時、そこに登場するキーワード/概念は構成主義、物語的知、間主体性、などなどといったものでした。そして、あれこれと考えながら、あれえコーチング(について考えること)って、実は私が長い間研究者としてやってきたことと、根が同じ〜〜〜〜(という言い方がベストかどうかは別として、とにかく「けっきょく、つきつめれば、おなじやん」って感覚ね)、ということが、(前からぼんやりとは思っていたけど、今回の機会に際してあらためて色々と文献を読んだり、ゆっくりと考えを整理したりして)あらためて分かったのです。ああ、道理で、だから(当時はよく分かっていなかったけど)コーチングを学ぶという道を歩こうと思ったんだな〜、と感じた次第。一見違うことのようであっても、研究者としてやってきたことと、コーチとしてやってきていること−研究者としての信念や哲学とコーチとしての信念や哲学、実は同じだよ〜、ってことが、分かって、嬉しい、というよりは、「納得」できました。
集中講義の内容については、前半についても後半についてもここには書ききれません。今回は学生さんにとっても、私自身にとっても、新しいチャレンジとなった集中講義体験。もちろん、改善点は多くあります。ただ、学生さんが最後に述べてくれた最後の感想の中で
「『コーチとクライアントの関係は主体−主体』というのが、交渉紛争解決について考える上でも役になった」(ここだけちらっと書くと「なんじゃいそりゃ」って感じに思われる方が多いと思うんですが・・・自分でもそう思うし。笑。)と言ってくれたり、
「やっぱり(コーチングのように)主体と主体の関係が交渉紛争のケースでも大事なんだってことが分かったから、今の職場では難しいんだけど、自分が信じるやり方で、たった一人だとしても、やっていきたい」と言ってくれたり、
「まず家族の話しをちゃんと『聴いて』自分も『語ろう』と思った」と言ってくれたり
したのを聞いて(、これだけでも、太平洋を超えてやってきた甲斐があったんじゃないかな、と思ったのは、ホントです。
*「ああ、やってよかったな」と思えるようなことについて、みなさんもっと色んなことをみなさん言ってくれましたが、紙面の関係にて上記3つだけ紹介させていただきました。
2015年01月11日
集中講義@熊本大学社会人大学院
posted by coach_izumi at 08:30| セミナー・講義・講演