今回の帰国/帰熊3つ目のお仕事(そして熊本にて最後のお仕事)は、熊本保健科学大学での講演/講義でした。対象の学生さんたちは、昨年6月に「物語としての病」とうタイトルでちょっと学術的な内容も盛り込んでお話をさせていただいたのと同じ学生さんたち。ご担当の佐々木千穂先生から「学生たちの多くが(言語聴覚仕の)国家試験を間近に控えて、大変な時なので、コーチング的な内容を盛り込んで学生たちが元気になれるようなお話をお願いします」とのこと。
はいはい、ぜひぜひ、私でお役に立てるなら、と引き受けたものの、いざ内容を考える段になって、う〜ん、とかなり悩みました。42人相手にして授業をしたことはあってもコーチングしたこと、ないしなあ〜・・・あれこれ作ったり考えたりして、最後は「う〜ん、どうしよう。分からんから、お風呂に入ってゆっくりしてから考えよう」と、あえていつもよりもゆっくりとお風呂に入っていたら浮かんだ案でした。馬上・枕上・厠上の三上ならぬ、浴場(?)ってやつ?それはさておき。
結局、コーチングで価値観などを探るのに活用することの多い「ライフライン」を活用して、学生さんたちが2人一組で「傾聴」「認知」「励まし」というコーチングの中でも基礎的なスキルでもって互いに対してコーチング的なコミュニケーション/関わりを持つようなアクテビティをしました。ライフラインは過去の振り返りに使うことが多いように思うのですが、それに加えて、将来の「こうありたい」ライフラインを書いてみる、なんてこともやってみました。そして合間にちょっと説教臭いかな?とも思えた(けど、そういった迷いを私的に乗り越えながら。笑)、自分自身の挫折体験について話しました。
自分の挫折体験の話のしめくくりでは、つい「・・・てことで、たとえ今回(試験)落ちたって大丈夫だから」などと言ってしまって(笑)、いけなかったかな?と少し心配になりましたが、ご担当の佐々木先生から「学内の人間はそういうことは言わないし、言いたくても言えないから、落ちてもいいんだよ、だから心配せずにがんばんなさい、って誰かに言ってもらえたことは良かったと思います」と言っていただいて、ほっとしました。
なかなか自分からは積極的に挙手したりすることは少ない学生さんたちですが、こちらからちょっと無茶ぶりで当ててみると、み〜んな、ちゃんと考えていること、思っていること、感じていることがあって、そのことを素直にお話してくれました。・・・ほんとうに・・・いい子たちだ・・・
国家試験は泣いても笑っても本当に目の前。受かっても落ちても、成功しても失敗しても、大丈夫なんだ、って、なかなか思えないのは私も自分自身の体験からよく分かります。でも彼らの倍以上生きてきてやっぱり言えることは、
「転んだって大丈夫。人生転ぶのがお約束。立ち上がることが生きること。」
かな。
今回の講演/講義も、「こういうの、やったことないんだよね」的なやつでした。こういう機会がどれほど貴重か、ありがたいか、最近、骨身にしみて感じることができるようになりました。
そういう機会を与えてくれた熊本保健科学大学の佐々木千穂先生、そして何よりも学生さんたちに、やっぱり、感謝です。(あと、あれこれと私のアイディアを聞いてアドバイスをくれた我が夫どのにも!)
2015年01月17日
熊本保健科学大学にて講演
posted by coach_izumi at 01:19| セミナー・講義・講演