午前中に外出してからの帰り道、家の近くの紅葉がきれいだなあ、と目にとまり、そうだ、写真を撮ろう、と思って車を停めた。ほとんど私が住んでいる住宅地コミュニティーの敷地内のような場所にある道路(でも、まだ外側の公道、という場所)で、他に車も走ってないし、一瞬だけだからいいやと思って、車を端に寄せることもせず(こういうの、アメリカの人がよくやるので迷惑だなあ、と思っていたら、自分もやってしまった)、(なぜか)エンジンをかけたままにしてドアはわざと少しだけ開けたままにして車を降りた。さくさくっと写真を撮って、さあ、車に乗ろうとした時、ドアが半ドア状態で閉まってしまっていて、かつ、ロックしてしまった、ということに気がつく。うぎゃあ。他のドアも全部閉まってる。エンジンは回ってる。問題の半ドア状態のドアは、がちゃがちゃとは動くし開きそうなんだけど、しっかりロックしてしまって開かない。
まっさお。
けっこうすぐテンぱるところがあるけど、こういう時はそうでもない。いつもは。なぜかというとこの手のへまをすることが多い人生を送ってきているので、慣れているのである。でも、今日は色々な加減で、すごく慌ててしまい、思考能力ゼロに。ほとんど「ふらふら」という感じで、そばを走りかけた車に手を振った。ところ、親切そうな(そして実際親切だった)女性が降りて来てくれた。でも、彼女がいるからってどうにもならない。写真を撮るのが目的で車を降りたので携帯だけは手に持っているから、どっかに電話すりゃあいいのである。でもなんだかすごく慌ててしまって、彼女を停めてしまったのだ。それで、「ごめんなさい、どっかに電話かけるから、もう行ってください。ただちょっと慌ててしまって」と言いながらも明らかにうまく状況がハンドルできてない私に彼女は言った。「別に急いでいないから、解決の糸口がつくまで、ここに一緒にいるわ」と。
と、別の車がやってきてそばに停まり、その中から(30代くらいかな?)親切そうな男性が「大丈夫?」と声をかけてくれた。いや、大丈夫じゃないです。ドアが少し開いているので、そこに何かを滑り込ませたら内からドアが開けられる・・・というのは知っていたのだが、男性も同じことを思った様子。しばらく自分の車の中を探してくれたが、適当なものが見つからなかったところ、「家から何か持って来るから、ちょっと待ってて」と言って、走り去った。
最初の女性はこの親切そうな(実際とても親切だった)男性が私を助けてくれそうだと見て、もう行こうとしてくれたのだが、彼が一度家に戻るところを見て気持ちを変え、私にこう言った。「彼が戻るまで、あなたを守るわ。」
そして、色々なこと・・・このできごとを別の視点から見てみましょう、とか、宇宙はどうしてこうして、とか、話してくれた。そして、「あのきれいな木々の紅葉を写真に撮ろうと思ったのよね。でもこっちの落ち葉はどうかしら。あなたは、こっち側の落ち葉の美しさに気がついていた?もしもここでこういうことにならなかったら、あなたはこの落ち葉の美しさにずっと気がつかなかったと思うの」というようなことを話してくれた。そして、景色がきれいだから写真に撮ろうとしたのはいいけど、「急ぎすぎてないかしら?車で走り去る途中に急いで写真をとるんじゃなくて、この辺りを自分の足で散歩してみたらどう?」とか、「ほら、今この目の前にある景色を見て。こんなに綺麗。こういうことがなかったら、この美しさを味わえなかったでしょ」というようなことを私に話した。
彼女の言っていることは良くわかった。
ただ、それを噛み締めるには私は狼狽しすぎていたんだけど。
そのうちその親切な男性が戻って来てくれたので、その女性は彼に「この人のことはまかせたわよ」てなことを言って去って行った。そして去り際に私にこう言い残した。
「今晩、瞑想しなさい。」
男性は、針金ハンガーをちょちょいと変形させて、ドアと車本体の隙間にそれを入れて、ちょっとだけ手こずったけれでも、ものの2〜3分もしないうちに内側から鍵を開けて、車のドアを開いた。
オーマイ、ガーーッッ〜〜!!!
と欧米か?のごとく(古い?いや、てか、ここ欧米だから)私が叫んだのは言うまでもない。お礼を言うのはもちろん、思わず続いてビッグハグ。「助けることができて嬉しいよ」とさわやかに言って自分の車に戻る彼の背中に「You made my day!」と叫んだら、くるりと振り返って、とびきりの笑顔でこう返してくれた。
You are very lucky.
できごとの諸々が全てふっとぶごとく、この言葉にハッとした。
なぜなら昨日、日本語でだけれど、別の人に同じことを言われたから。
「あなたは、運がいい」と。
そうだ。私は間抜けだ。慌てん坊だ。緊急(?)事態に際しての処理能力もない。
でもそうだ。
私はラッキーだ。
私は運がいい。
・・・ん?・・・
2015年10月10日
You are very lucky! 「あなたは、運がいい。」
posted by coach_izumi at 06:15| Slices of My Lifeー徒然ノート