好奇心はコーチング・スキルというよりは、コーチとしての大事な資質です。広辞苑によると、好奇心とは「珍しいことや未知のことなどに興味を持つ心」だそうですが、ここでは特にこの「未知」ということに着目したいと思います。
コーチングのクライアントさんであれ、それ以外の部分で関わる人であれ、建設的かつ奥深いコミュニケーションを持ち人間関係を構築していくためには、「未知」である相手を知りたい、という気持ちが大切だと思います。
これは、どれほどセッションの回数を重ねてクライアントさんであっても、「相手も分かった“つもり”」になるな、というコーチとしての自戒でもあります。そして、このことは、何十年もともにいる家族に対しても同様ではないかと思います。
(ところで、「好奇心」は「詮索」や「情報収集」とは違いますよ!)
相手の言動が不可解であったり不愉快だったりする時、「わっけ、わっかんないし。へんな人!合わない!苦手!」と拒絶してしまったり、「ほんと嫌な人。きっと△△な人なのね。底意地悪っっ」と決めつけてますます嫌ったり、ということ、ありませんか?(あ、私は、そんなに多くないけど、やっぱり、ありますよ・・・^^;;)。
そういう時、「好奇心」を発動してみると、ちょっと違う見方をすることができます。「このわけわかんない言動、って、どういう背景があるのかしらん?」とか「なんでこんな意地悪に聞こえること、言うのかな?」とか。拒絶したり決めつけて嫌ったりする前に、立ち止まって、「未知のことに興味を持つ」という心持ちで、相手の言動を考えてみるのです。
一般的には、どのような言動にも、必ず「理由」があります。その理由はあなたには想像もつかないようなものかもしれません。その理由はあなたには受け入れ難いものかもしれません。でも、必ず「理由」があるのです。
そして、ひょっとしたら、相手の言動は受け入れ難くても、その「理由」には共感できるかもしれません。
ちなみに、コーチングの際に大事なことは、相手のひとつひとつの言葉やふるまいにズーム・インしてコーチの好奇心をビームのようにそこに向けるだけでなく(これも必要)、むしろソフト・フォーカスの広角レンズで相手を見るつもりで好奇心を向ける、ということです。
クライアントさんの、その場その時の言動やその背後の理由だけでなくて、セッションの時には必ずしも顕著には表れていない、クライアントさんの人となりというか、人そのものというか、そういうことにたいして、好奇心を持つことが、コーチの資質として、とても重要です。
このことが、「対症療法」や「単なる問題解決」に陥らずに、クライアントさんの「本質的な変化を促す」コーチングへとつながるのです。
で、「本質的な変化」とは何さ、ということですが、それはまた日を改めて。
2014年02月12日
Curiousnessー好奇心
posted by coach_izumi at 23:26| Coaching Skillsーコーチングの技術