2022年01月15日

息子と英語と日本語と私

先日、陸上の練習から息子をピックアップして帰宅途中に車の中で。
息子: お母さん、〇〇(友達の名前)のお母さん、鹿を「撃って」、車が今一台しかないんだって。
私:・・・それ、鹿をhitしたってこと?この場合は「ぶつかる」とか「衝突する」だよ。〇〇(友達の名前)のお母さん、鹿を「撃って」(*息子はhit=>「打って」と言ったつもりだったんですね)車をダメしないだろ(爆)。
息子: .....(自分の誤りに気が付く&ちょっと恥ずかしい&だから反撃)お母さんだって、この間、COVIDに撃たれてたじゃん!!」
母: まー、そだねー(爆)
はい、「ワクチン打った?」と聞こうと思って、Did you get the shot? じゃなくてDid you get shot?って聞いて、「(銃で)撃たれた?」て言ってたのは母ですが、間違いの性質が違うと思うんだけど。

ーーー
息子はかなり完璧に近いバイリンガルだと思うけど、こういうことが時々ある。例えば、musicという単語に「楽譜・譜面」という意味があること、私はずっと知らなかった。(「楽譜・譜面」はscoreだと思っていた。)が、楽器をやってる息子とその周りは「楽譜・譜面」を指してmusicという単語をよく使うみたい。で、彼はそのmusicを日本語に訳す、という作業を頭の中でしてるようで「あ、家に”音楽”忘れた」とか「お母さん、そこの”音楽”取って」などと言う。これは「楽譜」で「音楽」とは言わないよ、と何度か言ったんだけど、楽譜すなわちmusicという単語を使う頻度が多いせいか、そのまま彼の頭の中では”楽譜というモノ=「音楽」という日本語”となって定着しきっているようで、本人に直す気がないようなので、もうほっておくことにしてる。(ただ「試験を取る(<=take)」は「試験を受ける」と言うようになった笑笑)

「楽譜」というのは(例えば「二酸化炭素」とか「窒素」とか「連立方程式」とか「国会議事堂」のような言葉と比べて)そこまで難しい日本語ではないと思うが、「楽譜」という言葉は彼の日本語語彙リストには入ってないらしい。どうしてなのかなー、と考えてみて、それは日本語補修校では音楽の授業がないから音楽関係の日本語のインプットがないからかな、と推測するに至った。

そして「風林火山」とか「獅子身中の虫」とか「遺体」とか「死亡推定時刻」とか「動機」なんて言葉を息子がちゃんと知って時々偉そうに使っているのが「名探偵コナン」のおかげであることについて、改めて感じ入るのであった。
posted by coach_izumi at 02:05| Acknowledging Yourselfー自分を認める

2021年12月17日

息子と英語と日本語と私

先日、陸上の練習から息子をピックアップして帰宅途中に車の中で。
息子: お母さん、〇〇(友達の名前)のお母さん、鹿を「撃って」、車が今一台しかないんだって。
私:・・・それ、鹿をhitしたってこと?この場合は「ぶつかる」とか「衝突する」だよ。〇〇(友達の名前)のお母さん、鹿を「撃って」(*息子はhit=>「打って」と言ったつもりだったんですね)車をダメしないだろ(爆)。
息子: .....(自分の誤りに気が付く&ちょっと恥ずかしい&だから反撃)お母さんだって、この間、COVIDに撃たれてたじゃん!!」
母: まー、そだねー(爆)
はい、「ワクチン打った?」と聞こうと思って、Did you get the shot? じゃなくてDid you get shot?って聞いて、「(銃で)撃たれた?」て言ってたのは母ですが、間違いの性質が違うと思うんだけど。

ーーー
息子はかなり完璧に近いバイリンガルだと思うけど、こういうことが時々ある。例えば、musicという単語に「楽譜・譜面」という意味があること、私はずっと知らなかった。(「楽譜・譜面」はscoreだと思っていた。)が、楽器をやってる息子とその周りは「楽譜・譜面」を指してmusicという単語をよく使うみたい。で、彼はそのmusicを日本語に訳す、という作業を頭の中でしてるようで「あ、家に”音楽”忘れた」とか「お母さん、そこの”音楽”取って」などと言う。これは「楽譜」で「音楽」とは言わないよ、と何度か言ったんだけど、楽譜すなわちmusicという単語を使う頻度が多いせいか、そのまま彼の頭の中では”楽譜というモノ=「音楽」という日本語”となって定着しきっているようで、本人に直す気がないようなので、もうほっておくことにしてる。(ただ「試験を取る(<=take)」は「試験を受ける」と言うようになった笑笑)

「楽譜」というのは(例えば「二酸化炭素」とか「窒素」とか「連立方程式」とか「国会議事堂」のような言葉と比べて)そこまで難しい日本語ではないと思うが、「楽譜」という言葉は彼の日本語語彙リストには入ってないらしい。どうしてなのかなー、と考えてみて、それは日本語補修校では音楽の授業がないから音楽関係の日本語のインプットがないからかな、と推測するに至った。

そして「風林火山」とか「獅子身中の虫」とか「遺体」とか「死亡推定時刻」とか「動機」なんて言葉を息子がちゃんと知って時々偉そうに使っているのが「名探偵コナン」のおかげであることについて、改めて感じ入るのであった。
posted by coach_izumi at 02:44| アメリカの生活

2021年12月05日

感謝祭の思い出

先月11月は感謝祭がありました。感謝祭は北米独特の祝日で、カナダでは10月にありますがアメリカでは11月の第4木曜日がその祝日となります。

私にとって初めての感謝祭はオハイオ大学に留学していた時でした。大学院の修士で学ぶ留学生として初めての冬を迎えようとしていた時に、当時ハウスメイトだった学部生の4年生が故郷の家に招いてくれたのです。「あなたにぜひ感謝祭を体験してもらいたい。すごく重要なアメリカの文化だから」と言って。彼女も高校生の時にスペインに留学していた経験がありました。

当日、彼女の車で2時間くらいドライブしたところにあったオハイオの町にあった彼女の両親の家に行きました。そこには30名くらいの親戚や家族が集まっていました。彼女の幼なじみの親友とか、高校時代に彼女の家にホームステイしていたというブラジルからの留学生の大学生もいて、彼女はこの留学生を「マイ・ブラザー」と呼んでいました。

感謝祭のディナーは一つの長いテーブルで一緒に食べるというのが伝統的なスタイルらしいです。この時も長いテーブルに皆でついて、3時ごろにディナーが始まる前に、テーブルについている全員が隣の人と手を繋いで、繋いだまま彼女のお父さんのスピーチを聞きました。感謝祭の日に皆でこうして集まれることへの感謝・・・などなどを述べて、その中で「今日はブラジルからも日本からも友達が同席してくれて喜ばしい」と言うようなことを言ってくれました。

とにかくすごい種類と量の感謝祭のご馳走で、とても美味しく、いっぱい食べてお腹一杯になったことを覚えています。ディナーの後には散歩に行くのが伝統なのだ、と彼女が教えてくれて、何人かで散歩に行きました。その夜は彼女の実家の彼女の部屋に泊めてもらったのでいっぱい時間がありました。感謝祭の夜はカードゲームをするのが伝統なのだ、と彼女のお母さんが教えてくれて、彼女のお母さんやおじさんやおばさんとカードゲームをしたのも懐かしい思いです。翌朝、残り物のターキーで作るサンドイッチが最高なんだよ、と、実際にサンドイッチを作りながら彼女のお父さんが教えてくれました。私にもぜひに試してみるようにと言うので、私も作って食べたのでした。

他にももっと今も覚えているエピソードがあって、キリがないのですが、とにかく言えることは、この時に私が会った人たちは、今思えば、驚嘆に値するくらい温かくオープンマインドの人たちだったということです。その時はよく分かっていなかったのですが、トータルで18年アメリカに住んで、色々な人に会って、色々な経験をして、今はよく分かります。「サンクス・ギビング(=Thanksgiving、感謝祭、って、何?」というレベルだった私が、アメリカ中西部のある意味では典型的家庭で、古き良き感謝祭の一日、みたいな体験をできたことも含めて、自分がいかにラッキーだったか、今になって、よく分かるのです。

18年アメリカに住んで、感謝祭をどんな風に誰とどこで過ごしたかは、色々でした。でもいつだって、感謝祭の日はいわゆる、良きアメリカ、あるいはアメリカの良心、のようなもの、のスピリッツを感じることができたと思います。そして私がこういうメンタリティを持ち続けられたのは、最初の感謝祭の時の体験が大きいのかもしれない、と今年の感謝祭のご馳走を家族と食べながら気がつきました。だから今年の感謝祭は、このハウスメイトに対する感謝を改めて胸に刻みたいな、と思ったのでした。

四半世紀前のことなので、今のようにSNSもなく、このハウスメイトと彼女が大学を卒業して以来全く連絡し合うこともなかったですし、実はもう彼女のファーストネームしか覚えていないのですが。

posted by coach_izumi at 03:36| アメリカの生活